公開鍵暗号方式の説明および認証におけるその応用

January 12, 2024

近年、公開鍵暗号が高度なセキュリティおよびエンドユーザーの認証クレデンシャル保護における実用的な応用のため、ビジネス界から急速に注目を集めています。

この記事では、公開鍵暗号方式とは何か、より強力で便利なユーザー体験のためどのように認証に応用されているか説明します。

公開鍵暗号 (PKC)とは?

しばしば非対称暗号とも呼ばれるPKCは、アルゴリズムに基づいたプロトコルのクラスです。この方法には2つの個々の鍵-秘密鍵と公開鍵の作成と使用が求められます。PKCはデータ暗号化と復号化の為の1組の鍵を利用、権限のない利用に対抗する最大の保護を実現します。

PKC認証のプロセスでは、ネットワークユーザーは認証機関から一組の秘密-公開鍵を受け取ります。エンドユーザーがFIDOなどPKCベースの機構を実装したプラットフォームにログインすると、デバイスに保存された秘密鍵が使用されて、サーバーの公開鍵で暗号化され送信されたメッセージやチャレンジを復号化します。

リベスト-シャミア-エーデルマン (RSA) アルゴリズムは、公開鍵暗号のためにデベロッパーが使用するシステムです。これは通常、インターネットのように安全ではないネットワーク経由で重要データを安全に送信するのに使用されます。このアルゴリズムは公開鍵と秘密鍵による暗号化が可能で、機密性と認証が保存されるゆえ一般に利用されています。

公開鍵暗号 (PKC)の利点

常に進化し続けるデジタル環境において、PKCは強化されたデータセキュリティという主な利点を提供します。秘密鍵暗号と比べて、エンドユーザーは自分の秘密鍵(デバイスに保存)の転送や開示を誰かに行う必要が全くないので、公開鍵暗号は確かにさらに安全なプロトコルです。 これは、悪者が主にソーシャルエンジニアリングの手法で権限なしのアクセスを試みる、中間者攻撃やフィッシング攻撃などからユーザーを守ることが証明されています。

加えて、PKCは複製不可能なデジタル署名も提供します。プロトコルは各エンドユーザーが個々の秘密鍵を保存しますが、秘密鍵暗号では秘密鍵が共有、または信頼できる第三者経由で送信されることもあります。

公開鍵暗号が秘密鍵暗号を補完

PKCは、より安全なプロトコルとして知られるものの、秘密鍵暗号に取って代わるものではなく、むしろ補うものです。場面によっては秘密鍵暗号が理想的ではなく、公開鍵暗号が主要なものとなっています。

一般的に、ユーザーの身分検証用の鍵配布とデジタル署名を通した機密性確保が必要な、マルチユーザー環境において公開鍵暗号方式が好まれています。

認証における公開鍵暗号の応用

ハッカーによる攻撃からの高レベルの防御性能を備えた公開鍵暗号は、各種産業において認証に応用され、いずれもクレデンシャルをより安全に保存することでエンドユーザーアカウントを安全に守ることを目的としています。

行政サービスにおいて

多くの国、特に米国、カナダ、英国、ドイツ、チェコ共和国、フランス、スウェーデン、オーストラリア、韓国、マレーシア、タイ、台湾において、行政システムはPKCに基づいたFIDO仕様を特徴とした現代の認証ソリューションを導入しています。行政および業界は、エンドユーザーに高い安全を保証するマルチファクター認証を提供する方法として、FIDOを採用しています。

バンキングサービスにおいて

米国、日本、韓国、台湾において、商用の銀行はクライアント対象に認証を提供するものとして早くは2019年から、PKCベース (FIDO) 認証システムを採用しています。認証でFIDOを利用すると、モバイルバンキングアプリのユーザーは生体認証機能をスマートフォンで容易に利用でき、フィッシング攻撃に脆弱性のあるユーザー名とパスワードの入力の代わりとなっています。

PKCシステム採用により、銀行はユーザーによる何らかのワンタイムパスワード(一般にSMS)を必要とせずに、よりシームレスなトランザクションを提供できます。これは決済における認証をより効率化してより安全にするのみならず、銀行はセキュリティとコスト間での優れたバランスを取ることができます。